飲食店経営

デリバリー用のメニューの作り方は?必要な許可はある?売り上げにつながるメニュー作りと必要な許可について徹底解説

デリバリー用のメニューの作り方イメージ

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新型ウィルスの蔓延によるテレワークの推奨などが進み生活様式が大きく変わってきました。中でも、外食に関する考え方の変容には目を見張るものがあります。さまざまな制約により飲食店の継続が難しくなった今、デリバリーに活路を見出している店舗は多くあります。

最近では、出前館などに登録してデリバリーを代行してもらえるシステムもあり、認知度は広がっていますが、多くのお客様に注文してもらうためには、メニュー作りが大切な作業となります。今回は、デリバリーの売り上げを上げるために大切なメニュー作りのコツと必要な許可などについて解説します。メニュー作りに悩んでいる方必見です。

デリバリー用のメニューで注意することは5つ!

出店する際は、お店で提供しているメニューをすべてデリバリー用にすることは困難なので、ある程度数を絞ってメニューを作成する必要があります。このときに忘れてはならないのが、「見た目」です。作り立てを提供できる店舗と違いデリバリーで届いた料理は、時間がたっているため「作りたての美味しさ」を目で見ることができません。

お客様に「美味しそう!」と思ってもらえるような容器や盛り付け、時間が経ち冷めてしまっても味の落ちない料理をメニューに掲載する必要があります。そのため、多くの料理をメニューに載せるよりも数を限定的にする方が良いでしょう。では、掲載数を絞るデリバリー用のメニューは、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか。

デリバリー用のメニューで注意すること1.人気メニューを入れる

まず、お店で人気のメニューを掲載することです。人気メニューは多くの人に認知されているので、注文されやすくリピートも期待できる商品となります。

また、人気メニューを掲載することで常連客へのアピールになること以外にも新規客の開拓とお店のジャンルを固定化することができます。お店のジャンルを固定化することで、「食べたいものは決まっているけれど、どの店にしようか」と悩んでいるお客様にピンポイントでアピールすることができます。

デリバリー用のメニューで注意すること2.デリバリー限定のメニューを作る

お客様に「お得だな」「デリバリーでしか食べられないなら注文してみよう」と思ってもらえるようなデリバリー限定のメニューを作ることも大切です。デリバリー限定のメニューがあれば、お客様の購買欲を高められる可能性が高くなります。

すぐに限定メニューの開発ができない場合は、デリバリー限定のオプショナルを付けるだけでも特別感を出すことができます。例えば、デリバリー限定のトッピングや副菜などは、限定メニューを一から開発する必要がないので、手軽に始めることができるでしょう。

デリバリー用のメニューで注意すること3.短時間で調理ができる

デリバリー用の料理は、簡単にいうと時間との勝負になります。例えば、お客様が仕事中のランチとしてデリバリーで料理をオーダーするとします。1時間しかないランチタイムで料理が届くまでに50分かかったとしたら、そのお客様は二度とオーダーしてくれないかもしれません。

理想的には調理時間15分、配達15分として30分以内にお客様に届けることです。そのため、なるべく調理に時間がかからない料理をメニューに掲載する必要があります。

デリバリー用のメニューで注意すること4.価格設定

デリバリー用のメニューを作るときに注意しなければならないことに価格設定があります。通常、デリバリー代行サービスを利用すると35%程度の手数料がかかるので、どうしても店内価格の1.5倍程度の価格に設定しなければ利益を上げることが困難になります。

一般的に飲食店の原価率は30%、営業利益を10%程度として計算しているので、デリバリーでも同様の数字を維持することが大切になってきますが、あまり利益優先になると、元々の金額を知っている常連客が離れていくこともあると理解しておくことが必要です。そのことを踏まえて原価に応じてランチは800円から1,000円程度、夕食は1,000円から1,200円程度を標準価格としておくと良いでしょう。

デリバリー用のメニューで注意すること5.写真

デリバリーの場合は、同じ料理があった場合、最終的に料理の写真を見て決めることが多くあります。そのため、美味しそうに見える写真を用意することはメニュー作りの上でとても大切なファクターになります。

デリバリーを行うときに必要な届け出はある?

デリバリーをする上で、届け出が必要になる料理や素材もあるので、事前に知っておけば、メニュー作りのときに慌てることはありません。では、どのような場面で届け出が必要になるのでしょうか。

基本的に届け出は必要ない

飲食店営業許可を得ているお店が、店舗で調理している料理をデリバリーする場合は、特に他の許可を得る必要はありません。しかし、調理をする場所と販売する場所が違う場合やシェフが自宅で調理した料理を店舗で販売する場合などは認められていないので注意しましょう。

「飲食店営業許可」は、あくまでも店内で調理した料理を同店で提供するかテイクアウト、デリバリーをすることに限って許可されています。また、店内では提供できてもデリバリーできない料理もあります。

許可がないとデリバリーできない料理って?

飲食店営業許可だけではデリバリーできない料理もあるので、ここでは簡単に説明します。これからメニューを作る際の参考にしてください。

食肉製品

原則として食肉製品を販売するには許可が必要となります。この場合の食肉製品とは、ハムやソーセージ、ベーコン、焼き豚、ローストチキンなどの他に肉を50%以上含むハンバーグ、ミートボール、テリーヌなども含まれますが、生ハムを使用したサンドイッチや野菜のテリーヌをオードブルの1品として提供する場合は特に許可は必要ありません。

しかし、生ハムだけを販売する場合は、「食肉製品製造業」の届け出が必要なので、デリバリーメニューに加える場合は、生ハムサラダなどにアレンジすることが必要です。

冷凍食品

料理を冷凍すると、別に冷凍食品を販売するための許可が必要となります。これは、長期間保存される可能性の高い冷凍食品は、お客様が再加熱する調理工程を管理できないからとされています。

また、カレーなどの液体の多い料理を冷蔵で販売する場合も惣菜製造業許可などが必要となる場合もあります。

パン

お店で調理してサンドイッチやハンバーガーとして販売する場合は、特に許可は必要ありませんが、お店で作ったパンを販売する場合は、「菓子製造業」の許可が必要となります。同じように、お店で仕入れたパンをそのまま販売する場合は、問題ありませんが、何かしら手を加えることや調理パンを仕入れて販売する場合は「菓子製造業」の許可が必要です。

デザート類

デザートを販売する場合は、「菓子製造業」や「アイスクリーム類製造業」などの許可が必要となります。例えクッキー1枚の販売であっても許可が必要となりますので注意が必要です。

ソース類

料理に添えるケチャップやマヨネーズ、醤油、焼き肉のたれなどは特に許可は必要ありませんが、お店オリジナルのドレッシングやソースをそれだけで販売する場合は、「ソース類製造業」などの許可が必要となります。

このように、デリバリーの場合、料理や素材によっては「飲食店営業許可」以外にも必要となる許可もあるので、十分注意しましょう。種類によってはわかりづらいものや地域によって違いがあるので、事前にお店のある地域の保健所で確認をしておくと安心です。

まとめ

デリバリー用のメニューを作るときは、お店の人気メニューやデリバリー限定メニューを取り入れることで販促に繋がりますが、調理時間や価格設定、写真写りなどもとても重要なファクターになります。まずは、自分の納得のいくデリバリー用のメニューを完成させてからデリバリー代行業者を選定してみてはいかがでしょうか。デリバリーを始めることで、落ち込んだ収益を回復させることも可能です。