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飲食店の開業を勝手に行うことはできず、オープン当日までに関係各所に向けて様々な届け出を行い、営業許可を受ける必要があります。その中でも特に重要な項目となるのが、保健所によって認可される「営業許可」ですが、これを取得するためにはどんな準備と手続きが必要なのでしょうか。
今回は、営業許可を取得するまでの具体的なフローを解説するとともに、注意点についても触れていきます。営業許可を得ずに飲食店の経営を行うと、重い罰則を受けることになりますので、十分に注意した上で営業に向けた準備を進めましょう。
飲食店にとって必須となる営業許可とは
営業許可とは、正式には「飲食店営業許可」と呼ばれる免許のようなものであり、保健所に申請を行って審査を通過した場合に取得できます。営業許可を取らずに営業する飲食店は食品衛生法や風営法違反として扱われることになり、重い処罰を受けることになりますので、必ず申請を行いましょう。
営業許可取得の必須条件が有資格者の配置
営業許可を取得するための前提条件となるのが「有資格者の配置」であり、具体的には「食品衛生責任者」を最低一人は置かなければなりません。食品衛生責任者には経営者みずからがなることもできますが、資格を保有していない場合、有資格者を採用することで要件を満たすことができます。
ただし、有資格者としての効力を発揮するのは一人につき1店舗のみとなりますから、複数の店舗を経営する場合、そのお店の数だけ食品衛生責任者が必須です。
飲食店オープンまでに営業許可を取得するまでの具体的な手順を解説
ここからは、許可を得るまでにお店側が取るべき行動にはどのようなものがあるのか、その種類や手順を具体的に解説していきます。フローとしては以下の6つを挙げることができますが、すべての検査をパスするまでには最低でも2週間前後が必要になりますので、時間に余裕を持って申請を行いましょう。
保健所に飲食店開業の連絡を行う
営業許可取得に向けた申請をする
検査を受ける日程を決める
保健所から現地の検査を受ける
営業許可証が発行される
営業許可証取得後に営業を開始する
それぞれの項目を具体的にチェックしていきましょう。
保健所に飲食店開業の連絡を行う
まずは保健所に連絡を入れ、具体的な地域や規模、設備等に触れながら、飲食店を開業したいという旨を伝えます。すると保健所から申請に向けて必要な書類等の入手方法について説明が行われますので、きちんと聞き取って確認しましょう。
営業許可取得にあたって不安なことや、質問したい事項がある場合は、この場で担当職員からの説明を受けることができます。
営業許可取得に向けた申請をする
営業許可取得に向けた申請には、以下の書類が必要です。
・飲食店営業許可申請書
HPでダウンロードすることが可能であり、店舗の住所や代表者の氏名、食品衛生責任者の氏名などを記入します。
・営業設備の大要・配置図
店舗の面積や厨房で使用している設備の種類、お手洗いの構造といった、間取りと設備を説明するための書類です。
・内装の配置の平面図
お店のどこに客席を設置しているのかなど、平面の見取り図のようなものであり、施工業者に内装工事を依頼している場合は業者に提出を求めることもできます。
・場所の見取り図
その地域のどこにお店があるのかを示すための書類で、市販されている地図などにマークを付けるだけで構いません。
・水質検査成績書
貯水槽などから汲み上げる水を使って料理や飲み物を提供する場合は、その水質に問題がないことをこの書類を使って証明します。
・食品衛生責任者が在籍することを証明できる書類
営業許可を受けるためにもっとも基本的なポイントとなりますので、資格の用意や有資格者の確保は早めに行いましょう。
・登記事項証明書(法人のみ)
法人のみが必要な書類であり、役所で入手することが可能です。
以上の書類を漏れなく準備し、申請を行うことで、検査に進むことができます。
検査を受ける日程を決める
上記でご紹介した書類を揃えて提出し、受理された場合は、保健所からの現地調査を受けるステップへと進みます。この際の日程は飲食店側の希望を考慮した上で決定されますので、確実に立ち合いができる日時を指定しましょう。
保健所から現地の検査を受ける
検査の日程が決まると、その日時に保健所から職員が訪れ、以下のような検査を行うことになります。
・厨房やトイレに手洗い場があるか
・キッチンと客席が仕切られているか
・給湯器が存在しているか
・シンク幅が規定に沿って設けられているか
・ゴミ箱に蓋がついているか
・清掃が困難な状況ではないか
営業許可証が発行される
上記の検査が行われ、すべてが条件を満たしていることが確認されると、正式に営業許可が下ります。これ以降は原則としていつから営業を開始しても構いませんが、店舗の形態に応じてその他の手続きが必要になる場合がありますので、きちんと確認を行いましょう。
営業許可取得後に営業を開始する
営業許可が下り、その他に必要な許可を得ることができれば、いよいよ飲食店をオープンさせることができます。出前館などフードデリバリーサービスへの登録を行う場合は、営業許可が下り、メニューや料理の写真を撮影できる準備が整ったこれ以降のタイミングで申請しましょう。
営業許可のない飲食店が営業すると重い罰則を受ける
営業許可を受けていない飲食店が勝手に営業を始めてしまうと、食品衛生法などの法律違反になり、経営者は2年以上の懲役または罰金刑に問われる可能性があります。保健所からの検査を受けて手ごたえを感じた後にプレオープンしてしまうお店もありますが、これはれっきとした法律違反になりますので、十分に注意しなければなりません。
この罰則が適用された場合、上記の刑罰を受ける可能性があることに加えて、営業停止処分を受けることになります。無許可営業の罰則は非常に重く、その後2年間は新規の営業許可取得が不可能になりますので、法律は遵守しましょう。
手続きが難しい場合は専門家に依頼する
ここまでの準備を自分一人の力で行うためには、長い時間と大きな労力が必要で、途中でミスをするとオープンの日時がずれ込む恐れもあります。営業許可に遁走した影響で本業が疎かにになると、いざ営業を開始した後に苦戦し、経営が立ち行かなくなる可能性も考えなければなりません。
これらの手続きや書類作りの大半は、行政書士など法律の専門家に任せることができますので、必要に応じてプロに依頼することも検討しましょう。
まとめ
飲食店にとって営業許可は必要不可欠であり、申請のための前提条件として食品衛生責任者が必要になりますので、可能な限り早く有資格者を採用しましょう。手続きにはいくつかの書類と、保健所からの立ち入り検査を受ける必要があり、これに通過して営業許可証が発行されるまでの間は飲食店の営業はできません。
出前館などフードデリバリーサービスへの出店登録は、営業許可が下り、メニューや料理を準備できるようになった後から行いましょう。