飲食店経営

飲食店を経営するオーナーの給料はどのくらい?平均年収や給料を上げる方法を解説!

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飲食店を開業したいと考えている方にとって気になるのが、実際に飲食店を経営するオーナーはどの程度の年収を得られるのかという点ではないでしょうか。お店が繁盛すれば多くの収入を得られる反面、客が入らずに経営が上手くいかず、閉店に追い込まれてしまう飲食店も少なくありません。

そこでこの記事では、飲食店オーナーの平均年収や年収の決まり方、さらに年収をアップさせる方法について解説していきます。

飲食店オーナーの平均年収は?

飲食店を経営するオーナーがどの程度稼げるのかというのは気になるポイントですね。もちろん、ひとまとめに飲食店といっても、業態、ジャンル、店舗の規模、店舗数、人気などは千差万別です。そのため、赤字でほとんど収入が無い経営者もいれば、大規模にグループ展開をして数千万~1億円以上の収入を得ている経営者もいるため、単純な比較は難しいのですが、それを踏まえた上で、飲食店オーナーの平均年収は600万円程度と言われています。

日本人の平均年収が400万円程度ということを考えれば、600万円というのは高給な部類に入るでしょう。しかし上述の通り、飲食店オーナーの年収はばらつきが非常に大きいため、飲食店を開業すれば安定して600万円程度の収入が見込めるというわけではありません。また、現在猛威を奮っている新型コロナウイルス感染症の蔓延によって多くの飲食店が閉店に追い込まれてしまったように、サラリーマンのような安定とは無縁ということも覚悟しなければなりません。

経営が上手くいけば平均よりも大きな収入を得られる夢はあり、反対にリスクもある。それが飲食店オーナーといえるでしょう。

飲食店オーナーの年収の決まり方

飲食店のオーナーは時給や月給などが固定で決まっているわけではなく、お店の売上から自身の給与が生まれます。では、オーナーの給与はどの様に算出されるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

結論から言うと、飲食店オーナーの給料は、売上から経費を差し引いた営業利益となります。つまり、経費の内訳と売上全体に占める割合が分かれば、どの程度が給料としてオーナーの手元に残るのかが分かるということですね。

経費の内訳は次のとおりです。

・食材原価(約30%)
・人件費(約30%)
・家賃(約10%)
・光熱費(約10%)
・その他広告費や雑費(約10%)

上記の各項目の割合は、一般的な飲食店で健全な経営がなされている場合の割合目安となり合計が売上の90%となりました。つまり、営業利益としてオーナーの手元に残るのは、売上の10%程度というわけですね。

もちろん、業態や規模によって内訳は変動し、経営状況が悪ければ家賃や人件費等の固定費が上がって赤字になってしまうこともあるでしょう。つまり、平均年収といわれる600万円をオーナーが稼ぐためには、健全な経営状態の元、年商6000万円、月商500万円を売り上げなければならないということになります。

年収600万円を達成するためのシミュレーション

それでは、どうすれば年収600万円を達成できるのでしょうか。
低単価高回転の飲食店と高単価低回転の飲食店それぞれのケースをご紹介します。

低単価高回転の飲食店の場合

まずは単価が低く、回転率が高いお店の場合を想定してシミュレーションしてみましょう。下記の条件でシミュレーションを行います。

営業日数:30日/月
営業時間:11:00~21:00(10時間)
客単価:1000円
回転数:30分に1回

こちらの条件で月商500万円を達成するためには、1日に16.6万円、1時間に約17,000円を売り上げる必要があります。回転数は1時間に2回で客単価1,000円なので、仮に席数が9席だった場合、朝から晩まで常に絶え間なく、ほぼお店がいっぱいの状態でなければ目標売上は達成できないということになりますね。

高単価低回転の飲食店の場合

続いて、客単価が高く、回転率は低めの飲食店の場合のシミュレーションを行っていきます。条件は以下のとおりです。

営業日数:30日/月
営業時間:17:00~25:00(8時間)
客単価:4000円
回転数:2時間に1回

居酒屋などに多いモデルですね。

この条件の場合、月商500万円を達成するためには、1日に16.6万円、1時間に換算すると、約21,000円売り上げる必要があります。回転数が2時間に1回転で客単価4,000円なので、常に満席状態を想定しても、席数は11席以上で常に満席状態でなければいけません。

2パターンでシミュレーションを行いましたが、実際にはピークタイム以外は席が空くことが多いため、平均といわれる年収600万円想定であったとしても、そこそこの席数と客の入りがなければ実現が難しいということがわかります。

飲食店オーナーが年収を増やす方法

さて、シミュレーション結果を見た限りでは、個人で開業などをした場合には中々平均年収といわれる600万円すらハードルが高いように感じられましたね。しかし、工夫を凝らすことで、飲食店オーナーの年収を上げることは可能です。

ここからは飲食店オーナーがどの様に年収を増やせば良いのか、その方法を見ていきましょう。

自分がシフトに入る

まず最も有効な方法が、自らシフトに入ることで人件費を減らすというものです。

経営状況が健全な場合、人件費の割合は全体の約30%が目安となると紹介しました。つまり、平均年収想定の月商500万円の場合、150万円が人件費にあたります。

しかしここで、自ら店頭に立って働くことで、社員1名30万円分の人件費を削減できたとしましょう。すると、手残りである営業利益は本来約10%の50万円程度であったはずが、プラス30万円され80万円となります。

収入として考えると、1.6倍にも跳ね上がっていることになりますね。実際には必要人員数や、社員:アルバイトの比率などによってもどの程度影響が出るかは変わってきますが、オーナー自ら働くというのは、従業員1名分の給与がまるまる自身の収入として浮くことになるため、年収アップには非常に有効な方法です。

シミュレーションで見たように常に満席の状態でなくとも、平均の600万円はグッと達成しやすくなるでしょう。

席数を増やす

2つ目に、席数を増やすという方法もあります。

例えば低単価高回転の店舗のシミュレーションの場合、9席でフル回転を実現できれば、月商が500万円という想定でした。しかしここで他の条件は変わらず、席数が2倍の18席になったとしたらどうでしょう。単純に月商は2倍の1,000万円に、収入は月収で100万円、年収で1,200万円になります。

もちろん席数を増やすほど席を埋めるハードルは高くなりますし、人件費が大きくなるため、先程紹介した自身が働くことで節約できる人件費の割合というのも少なくなってきます。しかし、しっかり集客できる前提であれば、席数の増加は年収アップに直結します。

客単価を上げる

3つ目に、客単価を上げるという方法もあります。一人が使ってくれるお金が増えれば、売上が増えるのは当然ですよね。仮に回転率や席数などの他の条件が変わらず客単価が1.2倍になった場合、そのまま月商も1.2倍、年収も1.2倍になります。

客単価を上げる方法としては、メニューの価格を上げる、トッピングやサイドメニューなどを充実させて付加価値をつける、空きドリンクが出たらすぐに聞きにいくなど、接客を徹底して追加注文を増やすといった方法が考えられます。もちろん値上げする際には、それに見合うクオリティの料理と体験を提供する必要があるため、注意してください。

テイクアウト・デリバリーサービスを行う

最後に、テイクアウトやフードデリバリーのサービスを導入するという方法があります。

テイクアウト客は店内を利用しないため、席数や回転数を圧迫することなく追加の売上を作ることができます。また、店内を利用した客がテイクアウトのメニューを購入するケースも多いため、客単価のアップにも貢献してくれるでしょう。

フードデリバリーサービスも、テイクアウトと同様に店内利用の客とは別の売上を立てることができます。さらにテイクアウトと異なるメリットとしては、店舗があるエリアには普段訪れない方であっても、デリバリーであれば利用する可能性があるため、商圏の拡大に繋がるという点です。

フードデリバリーサービスを自店で導入すると人件費が追加でかかってしまう懸念はありますが、出前館やウーバーイーツといった配達代行サービスを利用すれば、その問題も解消することができます。

まとめ

飲食店オーナーの平均年収や年収の決まり方、さらに年収をアップさせる方法を紹介しました。

飲食店オーナーの平均的な年収は一般的なサラリーマン等と比較すると高いものの、その分安定とは無縁で、しっかりと考えて経営をしなければ、赤字になってしまうリスクもはらんでいます。飲食店を開業したいとお考えの方や、年収を上げたいとお考えの飲食店オーナーの方は、ぜひこの記事で紹介した内容を参考にしてみてください。