飲食店経営

飲食店の営業許可の種類は?営業許可を取得する条件と流れを解説

笑顔の女性店員

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営業許可は、飲食店を経営するうえで必ず取得しなければならないものであり、法令を遵守して営業している証明です。飲食店の経営を始めるには、保健所から「営業許可」を取得する必要があります。

しかし、営業許可が必要であることは理解しているものの「営業許可にはどのような種類があるの?」「営業許可を取得するにはどうすればいい?」といった疑問を抱えている人も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、飲食店の営業許可の種類や取得条件などを詳しく解説していきます。

飲食店の営業許可の種類と取得条件

モダンな飲食店店内

初めに、飲食店の営業許可の種類と取得条件を解説していきます。

飲食店の営業許可とは

飲食店の経営を始める場合は、保健所からの「営業許可」が必要です。おもに、飲食店を経営するうえで、必要な営業許可は「飲食店営業許可」「喫茶店営業許可」の2つに分類されます。ただし、消費者に提供する商品によって必要な営業許可は異なるため、注意しましょう。

飲食店営業許可とは、店舗で調理した食品を提供したり、酒類を提供したりする場合に必要な許可です。大半の飲食店は、こちらの営業許可が必要となるでしょう。

一方で、喫茶店営業許可とは、すでに製造された食品をそのまま提供できる許可です。しかし、飲食店営業許可と比較すると「できること」が限られているため、喫茶店営業許可を取得する店舗はやや少ないと考えられます。

営業許可を取得するための条件

飲食店が営業許可を取得するための条件として「食品衛生責任者」の資格保持者が最低1名は必要です。食品衛生責任者とは、営業者の指示に従って衛生管理にあたる人のことで、食中毒や食品衛生法違反などを起こさせないようにする役割を担っています。食品衛生責任者になるには「食品衛生責任者養成講習会」の受講が必須です。

また、各都道府県に定められた基準の施設であることも営業許可を取得するための条件になっています。施設の設計に不安がある人は、保健所に確認してもらうのがおすすめです。

なお、酒類を深夜・メインで提供する場合は「深夜酒類提供飲食店営業開始届」も必要になることを把握しておきましょう。

飲食店の営業許可を取得する方法

OKサインを出している女性店員

ここでは、飲食店が営業許可を取得するまでの流れや必要なものについて解説していきます。また、保健所の検査項目チェックリストも紹介するため、ぜひ確認してみてください。

営業許可を取得するまでの流れ

飲食店が営業許可を取得するまでの大まかな流れは以下の通りです。

  1. 保健所に事前相談
  2. 営業許可の申請を行う
  3. 施設基準を満たしているのか検査してもらう
  4. 営業許可証の交付

営業許可を取得する際は、まず施設の所在地を所管する保健所に相談しましょう。具体的には、工事に入る前の段階で店舗の図面を持参し、施設が定められた基準を満たしているのかを確認してもらいます。

ここでの事前相談は必須というわけではありませんが、工事後の検査で修正が発生すると、大きな損失を生んでしまいます。そのため、図面に不安がある人は、保健所に相談するとよいでしょう。

図面に問題がないことを確認できれば、営業許可の申請を行います。必要な書類については後述しますが、スムーズに次の施設検査へ進むためにも、早めに申請しましょう。

続いて、申請した書類に問題がなければ、施設基準を満たしているのかを検査してもらいます。なお、施設検査では店舗側の責任者も立ち合う必要があることを把握しておきましょう。ここで施設基準に満たない問題が発見された場合は、その問題を改善してから再検査を受けます。

最後に、施設検査が問題なく終了すると、営業許可証が交付され、飲食店の営業を開始することが可能です。

営業許可に必要なもの

営業許可に必要なものは、以下の5つです。

  1. 営業許可申請書
  2. 設備の構造が記されている図面
  3. 食品衛生責任者の資格を証明できるもの
  4. 水質検査責任書
  5. 登記事項証明書(法人の場合のみ)

営業許可申請書は、施設の所在地を所管する保健所で用意されています。また、各都道府県の自治体の公式ホームページからダウンロードすることも可能です。特に難しい内容はないため、項目ごとに記入していけば問題ありません。不明点がある場合は、提出時に確認してから記入するとよいでしょう。

設備の構造が記されている図面については、店舗の面積に加えて、調理場、製造場、トイレの構造、壁の材質なども詳細に記入します。こちらも施設の所在地を所管する保健所で用意されており、各都道府県の自治体の公式ホームページからダウンロードすることが可能です。

先述した通り、飲食店を営業・開業する場合は、食品衛生責任者の資格保持者が最低1名は必要になります。そのため、食品衛生責任者の資格保持者であることを証明できる書類を用意しておきましょう。食品衛生責任者養成講習会の受講者であれば「修了証書」を、栄養士や調理士などの資格を取得している人であれば、「合格証」を持参します。

水質検査責任書は、貯水槽や井戸水などを使用する際に必要な書類です。店舗の水道が水道館から直結している場合は、本書類の提出が不要になります。自身の店舗がどちらに該当するのか気になる人は、保健所に確認するとよいでしょう。

登記事項証明書は、法人の場合に限り提出が必要な書類です。具体的には、会社の設立年月日や事業内容、代表者名などの法人に関する情報が網羅的に記載されています。

営業許可にかかる費用

電卓を使って見積もりを提示している人

営業許可にかかる費用は、自治体によって設定されている金額が異なります。以下は、東京都で設定されている料金です。

飲食店営業18,300円
食肉販売業15,800円
飲食店営業(移動または臨時)6,500円

出典:東京都食品衛生関係許可手数料

一般的には、16,000円~19,000円 ほどですが、開業しようとしている地域の手数料を事前にホームページで確認することをおすすめします。

h3:保健所の検査項目チェックリスト
続いて、保健所の検査でチェックされることが多い項目を6つ紹介していきます。

  1. 床が掃除しやすいか
  2. 扉付きの食器棚が設置されているか
  3. 厨房内とトイレに手洗い場が取り付けられているか
  4. 厨房内に設備が収まっているか
  5. 冷蔵庫や冷凍庫に温度計があるか
  6. 蓋付きのごみ箱が設置されているか

上記の項目は、保健所にチェックされる傾向にあります。そのため、検査前に漏れがないかを確認しておきましょう。

営業許可証の効力について

営業許可証

営業許可証の効力は、正確に定められているわけではありませんが、一般的に5~8年ほどの有効期限が設定されています。 そのため、更新手続きは余裕をもって1ヵ月前に行いましょう。なお、更新手続きに必要なものは以下の4つです。

  1. 現在の営業許可証
  2. 食品衛生責任者の資格を証明できるもの
  3. 水質検査責任書
  4. 更新料

もし、更新をせずに営業を続けると、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が課せられます。また、その後の2年間は営業許可の取得もできなくなるため注意しましょう。

まとめ

飲食店の営業許可は、提供する商品によって種類が異なります。また、飲食店を経営していく場合は「食品衛生責任者」が最低でも1名は必要であり、営業許可証には有効期限もあるため、忘れずに更新を行うことが大切です。

飲食店の営業・開業を考えている人は、手順と必要なものを確認したうえで、営業許可の手続きを行いましょう。