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飲食店経営とフードロス問題は、切っても切れない関係にあります。
本記事では、日本のフードロスの現状と、飲食店におけるフードロスの原因・対策を解説します。
フードロス削減に成功した事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
日本のフードロスの現状
引用:農林水産省 食品ロスとは
日本では、年間約600万トンもの食料が捨てられています(参考:農林水産省 食品ロス量(平成30年度推計値)の公表)。
単純計算で、日本人1人あたり年間約47kgの食料を廃棄していることになります。わかりやすく言うと、日本人全員が毎日お茶碗1杯分(約130g)の食料を廃棄しているということです。
「そんなにあるの?」と感じた方は多いのではないでしょうか。
日本のフードロスの総量600万トンのうち、事業系フードロス量は324万トンとなっています。
さらに細分化すると、事業系フードロス量のうち外食産業におけるフードロス量は116万トンです。
これは家庭系・食品製造業のフードロスの次に多く、非常に深刻な事態と言えます。
飲食店のフードロスの原因
飲食店のフードロスの主な原因は次の3つです。
- 食べ残し
- 仕込みすぎ
- 仕入れすぎ
それぞれ詳しく説明します。
食べ残し
外食産業におけるフードロスの原因は、販売過程が58%を占めます。販売過程でフードロスが発生する主な原因は顧客の食べ残しです(参考:農林水産省 外食・中食産業における食品ロスについて)。
食べ残しは飲食店の利益を左右するものではないため、深く考えられることはあまりありません。
むしろ、注目を集めるために、食べきれないほど大盛りにしたメニューや、「時間内に食べ切れたら無料」と称したチャレンジメニューを提供する飲食店も少なくありません。
しかし、フードロスは社会問題ですから、あまりに多くのお客様が食べ残しをする場合は対策を練るべきです。
仕込みすぎ
外食産業におけるフードロスの原因で販売過程の次に多いのが製造・調理過程で、全体の39%を占めます。製造・調理過程の主な原因は、仕込みすぎです(参考:農林水産省 外食・中食産業における食品ロスについて)。
飲食店では正確な来客数が予測できないため、仕込みすぎが原因でフードロスが発生しています。
仕入れすぎ
仕入過程でのフードロスも決して少なくありません。
仕入れすぎによるフードロスは、在庫管理が適切に行われずに発注をかけ過ぎた結果発生します。
仕込みすぎ・仕入れすぎが原因のフードロスは利益に直接影響するため、お店を続けていくためにも早急に対策を講じましょう。
飲食店のフードロスを減らす方法
飲食店のフードロスを減らすためには、以下の3つの施策に取り組みましょう。
- 食べ残し対策
- 正確な在庫管理と発注
- フードシェアリングサービスの活用
順番に解説していきます。
食べ残し対策
飲食店がフードロスを減らすためには、最大の原因である「食べ残し」の対策をしましょう。
お持ち帰り制度を設けたり、料理を小分けで提供しておかわりに対応したりなど、さまざまな対策が考えられます。
各テーブルに「食べ残しはご遠慮ください」と掲示するだけでも食べ残しの量は減るでしょう。
大人数の宴会などであれば、事前に幹事の方と食事量について話し合うことも大切です。
食べ残しがなくなれば、飲食店のフードロスは半減します。
食べ残し対策の好事例:びっくりドンキー
びっくりドンキーでは、子どもが料理を完食したら表彰状を贈呈する「もぐチャレ」や、小盛メニューの提供などを実施。結果として、1日あたりの生ごみ排出量が50kgから20~30kgに減少しました。
正確な発注・在庫管理
正確な発注・在庫管理ができれば、フードロスを減らせます。
例年の来客数や天候・近隣のイベントなどから食材の必要量を予測し、発注を行いましょう。
余ってしまった食材の管理方法も重要です。各食材の仕入れ日や消費期限を一元管理することで廃棄を減らせます。
正確な発注・在庫管理の好事例:旬彩 はや斗
引用:旬彩 はや斗 公式サイト
旬彩 はや斗では、同一建物内のホテルで開催されるイベント情報等を確認することで、必要に応じた仕入れを行っています。また、朝と昼の2回に分けて仕入れを行うことで無駄な廃棄を防止。さらに、大型冷凍庫・真空パック機を導入することで、余った食材も廃棄せず次回に使えるようストックしています。
フードシェアリングサービスの活用
どんなに対策を講じていても、フードロスを完全になくすのは難しいでしょう。
そこで活用できるのが「フードシェアリングサービス」です。
フードシェアリングサービスとは、飲食店で無駄になりそうな料理・食材と、消費者をマッチングさせるサービスのことです。
飲食店は、料理・食材を廃棄することなく、必要とする消費者へ届けられます。
消費者は、通常よりも安く料理・食材を手に入れられます。
双方にとってメリットがある上に、フードロスも防げるサービスというわけです。
おすすめのフードシェアリングサービス:TABETE
引用:TABETE公式サイト
TABETEは、会員数約43万人・加盟店数約1,600店舗のフードシェアリングサービスです。
飲食店側の登録料・初期費用・月額費用は無料です。商品が購入された場合のみ、手数料150円が発生します。出品するのはフードロスが起きそうな時のみでOKです。最低出品数や出品頻度などの規定はありません。
消費者側の利用料も無料で、必要なのは商品購入代のみです。
利用のハードルが低いため、自店の料理・食材を見つけてもらいやすく、フードロスの削減が期待できます。
おわりに
飲食店由来のフードロスは年間116万トンもあり、日本全体のフードロスの約20%を占めます。
環境問題や食糧不足問題を解決するためにも、適切な対策を講じ、フードロスを減らしましょう。
この記事が、飲食店のフードロス対策について知りたい方の参考になれば幸いです。